Say good bye to 南森町

始まりがあれば終わりもあるもので、10年間お世話になった職場を離れることにしました。
2011年の5月、当時未経験だった僕をWebデザイナーとして受け入れてくれ、様々な経験をさせてもらいました。まだhtml,CSSの使用もおぼつかないのによく指導してもらったと思います。新卒で入った前職が病院事務だった僕には全てが新鮮で、会社でAdobeソフトを触れることに感動を覚えたものです。
場所は南森町。少し足を伸ばせば日本一長い商店街「天神橋筋商店街」のある場所です。

外部受託のWebサイトをあげる日々

そこでの仕事は主にお客さまから依頼のあったWebサイトの制作・修正作業でした。時にはお客さまの会社へ同行して直接お話を伺ったり、提案などもしました。
時には日付を超えるような残業をしたり、理不尽な要求を投げられたりということもありましたが、社内スタッフと雑談したり、天神橋筋商店街のあらゆるお店でランチし回ったりとそれなりに充実した生活を送っていたように思います。
プライベートでは結婚・家購入・子供誕生などのライフイベントを経験し、気づけば入社から10年以上も経っていました。いくら未経験での入社とはいえ、それだけのキャリアを積めばWebサイト制作は一通りの実力がつき、社内でも重宝されていたと思っています。

マンネリ感と焦り

とはいえ、基本やることは10年前と変わらずWebサイトの制作・修正作業。当時とは使う技術も環境もかなり変わりましたが、本質のところは変わっていません。
忙しさの傍ら、このままでいいのかという疑問も付きまといます。そう考えれば考えるほどにふと頭をよぎる「転職」の2文字。
僕は細々とポートフォリオサイトの制作に取り掛かりつつ、転職サイトを眺めるのが日課になっていました。
当然現職の経験を活かせる職、Web系のデザイナーという括りで探していると、そこに並んでいたのは「Webデザイナー」より「UI/UXデザイナー」という文字。僕が思っているより世間は違う方向へシフトしていたようです。使い勝手や体験をデザインするUI/UXという分野への興味が出るとともに現職ではその経験が得られないのも知っていました。
まだまだコロナ禍の世の中ですが、そういった焦りもあり行動に移しました。

転職先の決定

そこからは一瞬だったと思います。Webサービスや自社サイトを継続して運営・保守できるようなところを軸に色々な会社を見て回りました。特にこのご時世、面接は100%Web面接だったのは驚きましたが。ただWeb面接は先方へ行く手間などが省けてお手軽な反面、逆に先方の雰囲気も伝わりにくいというデメリットもありました。面接で伺ったとしても、会社の受付や会社の雰囲気、すれ違う社員の印象などで結構会社の印象が分かるのも確かです。
とはいえWeb面接でも伝わることは多く、何度か面接・面談させていただき転職先を決定。希望通りWebサービスや自社サイトを継続して運営・保守できる、自社デザイナーに収まりました。

前職の仕事納め

退職までの引き継ぎには2ヶ月取っていたので、意外と長かったように思います。
小さい会社だったので直接社長に「辞めます」と伝えると、「そうか、いつまでおれる？」と、引き止めるでもなく蛋白な返答だったので若干拍子抜けでしたが、その他の社員さんやお世話になった取引先の方には本当に残念そうにしながらも「良いスキルをお持ちだと思いますので頑張ってください」というような言葉もいただき、少しは貢献できたのかなという感動と感謝を噛み締めていました。
改めて振り返るとこれまで担当した案件の多さに辟易しましたが、どれもその時々の思い出があるものばかりです。天神橋筋商店街でのお気に入りのお店ランチを梯子しながら、諸々引き継ぎしていました。

おとなの夏休みとまとめ

退職前の3週間は有給消化してましたので、久々に長い夏休みを味わっていました。時間があればやろうと思っていたことを色々できたので、逆に忙しいくらいでした。
一度やってみたかった金髪と、初めてのマイカー購入。あと諸々やっている間にそんな夏休みも一瞬で過ぎました。

転職活動して思ったことは、とりあえずその気がなくても普段から自分のやった業務や成果を振り返って記録しておこうということです。相対的に世間が求められるような仕事ができてるかどうか見極めるいい機会でした。
これからガラッと環境が変わり、一から覚えないといけないことばかりになりますが、35歳の体に鞭打って張り切っていきたいと思います。前職には大変お世話になりましたのでまた機会を作って遊び＆お礼に行きたいと思います。さよなら南森。